セダム草で駐車場緑化
これまでいくつか駐車場の緑化について記事を書いてきましたが、今回はまとめです。
実践した感想もいれましたので、同じことをお考えの方の参考になればと思います。
目次
きっかけ
自宅の駐車場に植物(緑)を植えたい。
無機質なコンクリートやモルタル、レンガ張りなどではなく、自然が感じられる駐車場にしたい。
中古の一戸建て住宅の購入が決まり、道路から玄関までの通路部分(エントランス部分)を駐車場にする際に考えたことです。
緑化の方法を決定
そして決めたのが駐車場資材「デコレーションパーク(別名:ターフパーキング)」を使うこと。
この画像とまったく同じようにすることにしました。
ここにある植物が「セダム」です。セダムといっても実はいろいろ種類があるようで、この画像のものは「モリムラマンネングサ」。
芝生ほど管理に手間がかからない、結構おしゃれに見える、これで決めました
施工はプロにおまかせ
工事はすべて工務店さんにお願いし、この資材の施工方法については、工務店さんとメーカーの間で打ち合わせをしてもらいました。
そしてセダムを植える手前までで工事は終了となり、引越して住み始め、自分でセダムを植える(施工する)ことになったのですが、、、
セダムを自分で植える
それまで植物を植えたり育てたりしたことがなく、セダムという名前も今回初めて知りました。
セダム(モリムラマンネングサ)に実際に見たことがなく、どんな特徴があるのかもまるでわからない。
そんな草を植木鉢ではなく、広い駐車場スペースにたくさん植える、というのは、今思えば少々無茶だったのかもしれません。
1回目:試し植え
実際には、工事が終了する前に試しにセダムを植えることにしました。
セダムが「9cmポット苗」になったものを通販で見つけ、まずは50株買いました。
- 意外と人気があるようで、安いお店から品物が売り切れになっているようでした。
そこで「地名 セダム 通販」というキーワードで検索して(地名の部分には自分の住んでいる地域名をいれました)みると、安くてまだ売りきれていない店をみつけることができました。
事前に「伸びた苗をハサミでカットして土の上にばらまいて(ほぐし苗のバラ播き)おけば根が出て広がる」ことをきいておいたのですが、自分のところの駐車場にどれぐらいセダムが必要なのかわからなかったためこの数にしました。
大きな段ボール一箱で届いたセダムは、苗の土部分が特殊な綿のような繊維質のものになっていました。
セダムの葉の部分は上の画像のものよりは少しすぼんだ形をしていました。
「伸びた苗をハサミでカット」が苗の茎の部分をカットする(横方向)のか、それともこの土の部分をカットする(縦方向)のかわからず、
土部分をちぎってセダムを一つずつに分けました。
一つずつ手にもって、花壇のやわらかい地面に少し差し込むように植えていきました。
後でわかったのですがこれは「挿し植え」という方法です。
この方法だと、もともと葉も根もあるものを植え替えただけですから問題なく根付きました。
しかし問題もありました。
「挿し植え」ではターフパーキングに植えるのがとても時間がかかる。
苗の数が多く必要。
そして
成長したら、画像のようではない「濃い緑色をして葉が開き、下と上の葉の間隔が長くなってしまった。
ということがでてきました。
2回目:茎を切ってばら蒔く
挿し植えに変わるもっと簡単な植え方として
花壇に植え成長したセダムを茎から剪定ハサミでカット(上から1cmから2cmぐらいの長さ)し、それをその花壇に蒔きました。
蒔いたセダムは当然倒れた状態になるのですが、根が出て地面に張るようにと土の上に蒔きました。
この方法だと、根が出て根付くまでに時間がかかりました。
そして倒れた状態から葉が空に向かって茎が曲がるので、見た目はあまりよくありません。
また根が出るのは、茎のカットした部分だけでなく、茎の途中(土に触れている部分)からもありました。
セダムはそれだけ繁殖力が旺盛な植物のようです。
3回目:細かく切ってばら蒔く
ターフパーキングの工事が終わり、いよいよ駐車場へのセダム緑化作戦の本番。
いかに安く、そして簡単にセダムを蒔くのか考えたが以前紹介した「なるべく安くモリムラマンネングサをデコレーションパークに蒔く方法」です。
2回目の方法をより細かくセダムを切って、ばら蒔きます。
新たに4cm苗のセダムを180株購入しました。
これまでにかかったセダムの購入金額は合計12000円ほど。「安く」と言っているわりにはすでにかかっていますが、駐車場に蒔く量が量だけにしかたありません。
しかもこの量でも足りるのかどうか、、、。
苗の土から上の部分を約5mmきざみでカットし、それを手でつかんではターフパーキングの穴に一つずつ蒔いていきました。土がなるべくセダムで隠れるようにうすーく。
この方法で一人で約2日間かかりました。
これがたぶん「ほぐし苗のバラ播き」なのでしょう。
少し腰がいたくなりながらも、蒔いた後を見ると、地面の茶色だった部分がうっすらと黄緑に見えました。
「あとは根が生え、芽が出るのを待つだけ」と一仕事を終えた充実感がありました。
しかしこれで終わりではありませんでした。
雨が降り、苗が流れた
蒔き終えたのがちょうど梅雨に入ったころで、数日後まとまった雨が降りました。
夕方雨があがり、仕事から家に帰るとそこには信じられない光景がありました。
苗が流れ、隅の方に集まっている、、、
まとまった雨が降ると、ターフパーキングは一時的に水たまりになり、その水は高いところから低いところへと流れていきます。
その時に蒔いたばかりのセダム(特に茎)は軽いため、一緒に流されたのでした。
2日間の作業が無駄になり、あつまったセダムを再び蒔きなおすと、なぜか量が少ない。
おそらくターフパーキングから流れ出てなくなったものがあるのでしょう。
でもこれ以上買い足すつもりはありません。
1日で蒔きなおし、そこには地面がところどころに見えるターフパーキングが見えました。
そして再び次の日に雨が降りました。
するとまた同じことが、、、。蒔いたセダムが数か所にあつまっている、、、。
雨で流れないために、挿し植え
2回目の雨の時に観察してみると、雨が降って水たまりとなったターフパーキングではセダムが水に浮いてるわけではありませんでした。
でも水が流れると、地面の上を動きやすい。
そこで残ったセダムを使って挿し植えにすることにしました。
1回目に行って「この方法は大変だ」と思った方法ですが、流されるよりはましでしょう。
またこれまでに、根がでやすいのはカットした茎の断面であることに気が付いていました。
本来挿し植えとなると、カットした茎を地面に挿すのですが、セダムの茎はやわらかく、うまくいきません。
ピンセットで茎の部分を持てば、そこから茎が切れてしまいます。
そこでとった方法が
セダムを植える部分に鉛筆の太さの棒で土に穴をあけます。棒を土に挿せば穴ができます。
そこにセダムを葉が植えになるようにいれます。
こうすることで、穴の中に入ったセダムが中で根付いて、成長して穴から顔を出すことでしょう。
穴の深さは、セダムの葉が地面に出るぐらい。つまり茎の長さによって変わります。
1cmから1.5cmぐらいでしょうか。
こうすることで、雨が降っても動きにくくなります。
今回は一度蒔いたものを植えなおしたため、すでに茎がまがったものが多く穴に入れにくかったのですが、
苗を買ってきたときの状態から行えばやりやすいと思います。
ただしこの方法は手間がかかります、おそらく芝生を設置するよりも。
セダムをカットし、穴をあけ、そこに植える。
ターフパーキングの一つの穴に12個ぐらいの穴です。
芝生であればターフパーキングの施工のときに一緒にやってもらえばいいので、自分が手をかけなくてもいいでしょう。
ですが、セダムの挿し植えの作業をお願いすれば、大変手間で時間がかかりますから、手間賃も数万円はかかると思います。
設置するまでが大変なセダム、設置後の手間がかかる芝生。
そしてこの方法で植えたセダムでは、
このようにするためには、もっと挿し植えをしないとだめでしょう。
なかなか1つの穴がいっぱいになるまで繁殖しません。
半年以上かかるでしょう。
まとめ:セダムで駐車場を緑化するアイデア
これまでの経験から、おすすめの方法を思いつきました。
苗をそのまま植える方法もある
もし予算に余裕があるのなら、ポット苗を細かく分けず(切らず)にそのまま、一つの穴に一苗植えていく方法もあります。
工事のときにお願いすれば、自分でしなくても済むでしょう。
でもこの方法も、穴いっぱいにセダムが広がるわけではないので、日数がかかると思います。
雨の少ない時期にカットした苗をばら蒔く
春になった時期、まだ雨が少ない季節に、約5mmきざみにカットしたセダムを穴一つ一つに地面が隠れるように薄く蒔いていくのがいいと思います。
もし雨の降りやすい季節にするのであれば、雨の降りそうな日にはブルーシートでターフパーキングを覆う、というのがよさそうです。
どの方法も、駐車場がセダムでいっぱいになるためには、短くても3か月ぐらいは見た方がいいです。
そして春先から夏の間に植えると、繁殖しやすいのでおすすめです。
時間と手間をかけてお金をかけないなら
セダムは切ってもまた、切り口のそばから葉がでてきます。
これを利用して、
苗の上の方だけをカットして挿し植えを行い、苗から葉がまた生えてきたらカットして挿し植えをする、
この方法だとお金はあまりかかりません。
でも、そのうちに雑草の種が飛んできて、セダムよりも早く生えてくることがあります。
そうなる前にセダムで地面を覆いたいものです。